「先回り言葉」ってご存知ですか?
例えば、家を出る際や帰ってきた際
幼稚園や保育園に行った際
習い事に行った際
おじいちゃんやおばあちゃんの家に行った際

 

子どもが、これから行うべきことの
ほとんどすべてを、先んじて
親が言ってしまうことを
総じて、「先回り言葉」と言います

 

「先回り言葉」は必要不可欠な声掛けです
しかし、「先回り言葉」の多用は
時に、子どもの自主性を奪い取って
しまうことがあるということを
我々大人は肝に銘じておく必要があります

 

例えば外出先において

“靴を脱ぎなさい”

“靴を脱いだら揃えなさい”

“あいさつをしなさい”

“返事をしなさい”

“ちゃんと座りなさい”

 

お父さまやお母さまは
これらの声掛けを
どうしてもしたくなります

 

これらのことは、本来
事前確認や、普段の躾において
行っておくべきことです

 

普段行っている、お子さまへの
アプローチの「答え合わせ」
毎回の外出先で表出する
お子さまの所作の数々なのです

 

その「答え合わせ」を見ることによって
その後のご家庭における
「アプローチの仕方」が決まります

 

家ではない場面において
最適ではない所作が見て取れた際に
アイコンタクトで教えてあげたり
小さな声で囁いてあげることは
素敵なことです

 

しかし、一事が万事
取り組む前に、やるべきことを
先んじて示唆し過ぎてしまうのは
自主性を養うという点においては
よくよく気を付けなければなりません

 

今日の話は
“お母さまやお父さまに向けた話”
というわけではありません

 

我々講師が
“常に戒めておくべき話”
でもあります

 

ときに、私自身が
授業において、教室内において
「注意や小言が多すぎる空間」
を作ってしまうことがあります

 

しかし、そのような空間こそが
その子自らの「気付きを得る機会」
奪い取ってしまっていることとイコール
であることに、私自身が気が付かなくては
ならないのです

 

できなさそうなことがあっても
できなかったことがっても
理想的な行動や言動ではなかったとしても

 

ときに、あえて目を瞑る
ときに、あえて見守りにとどめる
これらが、「自主性という観点」からは
とてもとても大事になってきます

 

自ら考え、自ら行動できる
そのような子に育ってほしい

 

そのように、だれもが言います
そのように、だれもが願っています

 

しかし、その実
やっていることや、言っていることが
“自主性や能動性を奪いとってしまっている”
なんてことがあります

 

「先回り言葉」を少し減らして
「信頼して任せる」といった態度
少し増やしてみることを
強くお勧めいたします

 

感謝の意を込めまして 神山眞

 

 

 

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