息子が言うことを聞きません!! ほとほと困っています…
成長に必要な過程のひとつではあるものの
“息子が言うことを聞いてくれない”が続くと、ほとんどのお母さまは「言うことを聞かないのは、よくないことだ。だから、言うことを聞かせなければ」となります。
その際の手法は
●叱る
●説明する
●感情に訴える
といったものが主たるものになります。
ですが
息子が言うことを聞かないときは、時々でもいいので、逆のことを考えてみることを、お勧めします。“私は、息子に言うことを聞いてもらいたいが…。はて?…。私は息子の言うことを聞いてきたかな?”
心の声を伝えたい
彼(息子)には、心があります。彼の心には、様々な想念が渦巻いています。彼はその想念を、心の声としてお母さんにいつもいつも伝えようとしています。でもまだ、彼は幼児期の子どもだから、うまく伝えられません。感情を表現することも、心の声を言語化することもできません。
息子と接していると
なんだか伝えたいことはありそうだし、なんだか思っていることもありそうだけど、“今ひとつわからないんだよね” といったことが、多々あります。息子の話は、あまりにもたどたどしくて…。息子の話は、時間がかかりすぎるから…。ついつい、“つまり、こういうことなのだな”と大人サイドの結論を出してしまいがちになります。子どもの心の声の「最後の最後まで」を、聞いてあげていないことに気が付くことがあります。
心の声を聞くよりも、次の提案が始まってしまう
そんなこんなで、息子の考えや思ったことを、聞き切らないうちに、息子の感情処理が未消化な状態のうちに、お母さんは次の提案をしてしまいます。お受験生活で最も多い提案は、次の講習会だったり、次の習い事だったり、次の模試だったりします。この際の提案は、間違いなく息子のためを思ってのものです。なので、お母さんは、これらの提案に対して、ついつい、息子も喜んでくれているような錯覚を起こしてしまいがちになります。
提案の数を増やし、機会を与え続けているのに…
それなのに、息子は、相も変わらず、行く先々で言うことを聞いてくれません。すると、お母さんの心の中は、“なんでこんなにあなたのことを想っているのに+あなたのためにと思って頑張っているのに+あなたにこんなに時間も労力も思考も心も思いも尽くしているのにあなたは一向にわかってくれない”でいっぱいになってしまいます。
息子には息子の言い分が
ほとんどの子どもは、お母さんの提案に一生懸命に答えようとします。それは、お母さんのことが大好きだからです。ですが、感情が未消化なまま、次の予定があてがわれ、次の予定をこなし、予定をこなすごとに評価や結果が下さると、やがて彼の心は疲弊していってしまいます。なのに、お受験生活中のお母さんは、息子の心が疲弊していることに気が付かないまま、彼のために良かれと思って、次なる手を打ったりしてしまいます。
提案の過剰供給がもたらすもの
彼は、感情の処理が未消化なまま、次から次へと、週末ごとに提案をこなしてきました。ですが、その提案に対して、彼の感情処理は、もはや追いつかない状態になりつつあります。すると、積もり積もった「未消化な感情の積み重なり」が、彼を“あきらめの境地”へと導いていきます。彼は、もしかしたら提案に対して、耳をふさぎたいのかもしれません。彼は、提案に対してこれ以上、処理しきれないことがわかっているのかもしれません。そんな気持である彼は、やがて、“言うことを聞かない子”になっていきます。
彼の心の中が混とんとしていたら
“ちょっとちょっと、お母さん、聞いてよ”
“これ(この感情)どこにしまえばいいの”
“これ(この感情)捨ててもいいの?”
“この前の、あの感情どこ行ったっけ?”
でも、お母さんから帰ってくる解答がいつも
“あなたのために、次の新しいものを用意したわよ”
だとしたら、さらに、彼の心の中は、益々混とんとしてしまうはずです。
需要と供給のバランス
親サイドからの提案を供給に例え、息子の心の声を需要に例えてみます。需要と供給のバランスはとれていますか?親子関係に限らず、“需要と供給”のバランスが取れていないもので、うまくいっていることなんて、あまりにも少ないことに気が付くはずです。
立ち止まりましょう
お受験生活をしている方々は、時に、意識して、立ち止まるべきです。立ち止まったら、聞きましょう。息子の声よりも前に、自らの“心の声”をです。「彼の言うことを、聞いてきただろうか?」、「彼の本当の望みを、満たしてきただろうか?」、「彼の心の声に寄り添う時間をたっぷりと取っただろうか?」、「彼が言うことを聞かないのは何か訳があるのではないだろうか?」と…
子どもの心の声を聞いていますか?
心の声が、勝手に自然に消えてしまうことはありません
3歳の頃の心の声
4歳の時の心の声
5歳の頃の心の声
思い出そうとすれば、いつだって思い出すことができます。
感じようとすれば、いつだって感じることができます。
提案は大歓迎、でも時々でいいから…
彼は、全ての願いを叶えてほしいわけではありません
彼は、思い出してもらえるだけでいいのです
彼は、感じてもらえるだけで十分なのです
彼は、提案を歓迎していると思います
彼は、お母さんと共に歩みたいのです
時々、定期的に
今の自分の感情や、昔の自分の気持ちを
思い出したり、感じたりして欲しいんです
大好きなお母さんに
言うことを聞かない
そこには、訳があります
その訳を、時々感じてあげてください
その上で、たくさんたくさん叱ってあげてください!!
その上で、これでもかと言うくらいの量の注意をしてあげてください!!
どんなときも、抱きしめてあげてください!!
感謝の意を込めまして 神山眞