にわさん作・大迫ちあきさん監修の算数絵本「たすひくねこ」
絵本の名前
子どもが算数を嫌いにならず、楽しく算数のお勉強ができる絵本。その名も『たすひくねこ』!! 可愛いねこたちと一緒に、親子で楽しく算数の勉強をしたい!! そんな皆さんにおすすめのようです。
『たすひくねこ』のあらすじ
宝の地図を拾ったねこたちが、様々な トラブルにまきこまれながら、おたからを目指して突き進む冒険物語です。たし算とひき算をイメージしながらおはなしを楽しむ「さんすう絵本」ですね。どんどん、ねこたちが消えていってしまうので、「かわいそう!」と思いましたが、見事に最後は復活します。
適齢
年中さん~小学校一年生くらい。ネコがかわいいので、ワクワクドキドキしながら、「純粋な絵本」として、読み進めることができます。その物語の中で、「数の操作ができるようになる」という主旨で作られたのでしょうが、あまり、学習的要素を求めすぎないほうがいいのかもしれません。「計算はできるけれど、文章題が苦手なんだよね」の解決策的要素も、あんまり求めないほうがいいのかもしれません。
読み聞かせの際のアドバイス
監修者である、大迫ちあき先生が、効果的な読み聞かせの方法を以下のように説いています。
数字や量(大きさ・重さ・長さなど)に結び付く言葉を、私は『さんすう言葉』と呼んでいます。
『何匹になるかな』『?どっちが大きいかな』?など、“さんすう言葉”を補いながら読み聞かせてあげるといいでしょう。
10の補数や数の合成・分解(足し算・引き算)だけでなく、数学的な視点や考え⽅を身に付けるのに役⽴ちます。
なるほど!!これは素敵なアドバイスです!!生活の中にも“さんすう言葉”を増やすのはありですよね!!
結論
わたしのようなネコ好きには、たまらなく素敵な絵本と言えるでしょう。物語を楽しみながら、「数に触れる」や「数に慣れる」を、お求めの方にも最適です。ですが、安野光雅先生の『はじめてであうすうがくの絵本』(福音館書店)とは、ちょっと学習的効果に違いがありそうです。よほど、お父さまやお母さまが、うまく引き出さないと、「10の補数」や「数の合成・分解」が、自然な流れで身につくということはないのかもしれません。ですが、「純粋な物語」として読んでも、十分に楽しむことができる、素晴らしい絵本であることは言うまでもありません。
感謝の意を込めまして 最近、絵本を使った「算数学習の可能性」について、ずっと考えています。いろいろな絵本を読んでいます。物語的には「いいね!」であっても、学習効果的には「残念!」であったり、そのまた逆もあったりです。良い絵本があったら、皆さまに紹介させていただきます。また、どうか、「これはいい!」な絵本があったら、神山に教えてください!!