よく見て何がいくつあるかおぼえて下さい。
(20秒たったら、めくります。)
トウモロコシはいくつありましたか。その数だけお部屋の中に鉛筆で○をかいて下さい。(20秒)
このような、「数の記憶」といった課題を行うことが、ものすごく大切なのです。
数をしっかりと記憶できて、はじめて、分類計数は、確実でスピーディーなものになります。
でも、意外と数を記憶する課題が入った問題集ってないんです。
こんなに重要なのに。
【現場でしかわからないある一つの事実】
私たちの授業の中に、「おかいものごっこ」という課題があります。
テーブルの上に、たくさんの野菜や果物が、所狭しと置かれます。
色とりどりの野菜や果物を、かごの中に入れることができるので、とっても人気がある課題です。
やり方は簡単。
買うべき品物を、カードを20秒間、凝視して、記憶して、買い物に行き、かごに入れて、帰ってくるというゲームです。
この課題、我々講師のさじ加減で、「すごいね。こんなにきちんととってこれたの」という結果を導き出すことも、「あらら、忘れちゃったんだ。しょうがないよね」という結論を導き出すこともできます。
【小さな違いが大きな結果を生み出す】
同一人物、同じ果物、同じ野菜の数、そしてカードを記憶する時間も同じ。
なのに、結果に大きな違いが出る。
なぜでしょう?
答えは、「事前準備=予備知識」です。
「おかいものごっこ」を始める前に、きちんと、「この野菜はなんていうか知っていますか?そうです。ピーマンですね。先生はピーマンが大好きなんです。こんなにピーマンがあったら、嬉しいな」なんて具合に、「何が、どのくらいの量、どの場所にある」といった予備知識があるだけで、幼児の記憶力は格段にアップし、かなり正確にお買い物をして帰ってくることができます。
逆に、何の予備知識もなく、ただカードを眺め記憶してから、テーブルにたどり着いても、残念ながら、結果は芳しいものではなくなってしまいます。
【「事前準備=予備知識」は、ペーパーに生かすことができるのか?】
実は、この「お買いものごっこ」と同じことがペーパーでも起きています。
ペーパーを行う際に、事前準備をきちんと行えている子は、やはり、早くて正確です。
ペーパーにおける事前準備とは、なんだと思いますか?
それは、「ペーパーを見る」なんです。
「なんだ。そんなことか。ペーパーを見るなんて当たり前じゃないか」と思われたことでしょう。
【しかし、現場では】
試験会場では、通常、ペーパーは裏の状態になっています。
「ペーパーを表にしてください」の合図で、一斉に表にします。
当然、授業でも同じように行います。
しかし、ここで、驚くべきことが起きます。
めくった瞬間、すぐに、「何が描いてあるのかな?なるほど、ミカンとリンゴだな。下にはおはじきが並んでいるぞ」と集中して見ることができる子がいます。
一方、なんとなくペーパーを眺めている子もいます。
前者が、「事前準備」を行っている子です。
設問が終わるや否や、問題に取り組むことができます。
初動(取り組み)が、非常に速いのが特徴です。
後者は、設問を聞き終わってから、「さて、リンゴって言ってたかな?リンゴはどこかな?」といった具合なので、当然、初動(取り組み)が遅くなります。
【事前準備がきちんと行えるようにする方法】
事前準備がきちんと行えていると、初動が早くなることがわかりました。
初動が早くなるだけではなく、ケアレスミスも少なくなります。
事前準備ができるように、本番に向けて、整えていきましょう。
事前準備が整えるようになるにはどうしたらよいと思いますか?
簡単です。
時々、ペーパーをめくった際に、ペーパーを表にした際に、こう聞いてあげるのです。
「何が描いてあった?」
たったこれだけのことを、折を見て、繰り返し行ってください。
何が描いてあるのかを、徐々に意識できるようになります。
感謝しています 神山眞