だいぶ前になりますが、面白い本を見つけました。
ショーン・エイカー著の「幸福優位 7つの法則」です。
題名からも明確なように、幸せになるための方法論が書いてあります。
「なるほどなぁ」と唸らせる箇所が多数出てきます。
普通この手の本は、作者の考えだけがまとめられた観念論的なものになりがちです。
しかし、エイカー氏の本には、実際にいくつかの臨床的な実験をした上での結果が公表されています。
その中で、国立小学校受験に生かせそうな箇所がありました。
かなり有効な手段になりそうなので、この場を借りて報告させていただきます。
幼児期の子どもたちを、二つのグループに分けて、「積み木を組み合わせて何か形を作る」という実験を行いました。
実験前に、片方のグループには「何か嬉しかったことを思い出してみよう」という指示を出しました。
もう片方のグループには、何もしませんでした。
すると、明らかに「嬉しかったことを思い出したグループ」の方が、早い作業で積み木を組み合わせることができたそうです。
これだけだと、“幼児なんてそんなものでしょ”で、片付けられてしまいそうですが、その他の年代の人たちにも、住む場所も違う人たちに対するアプローチでも同じような結果出ていました。
これらの結果は、「楽しいと思うこと」や「嬉しかったこと」を気持ちの中にセットしてから「ことにあたる」と、成果が上がる可能性があることを示してくれました。
お勉強を続けていくと、緊張感高まる時や、同じことの繰り返しに嫌気がさすこともあるでしょう。
試験が近づけば、プレッシャーに押しつぶされそうになることもあるはずです。
そんな時、エイカー氏のやり方を真似てみることは悪くないかもしれませんね。
学習前のほんの少しの時間、楽しいことや嬉しかったことを思い浮かべたり話し合ったりしながら、学習に臨んでみることをお勧めします。
私も実験的に二つのクラスで、すでにこれを行っています。
本題に突入する前に、目を閉じて、ありありと、楽しかったことや嬉しかったことをイメージしてもらうのです。
聞き取る力がアップしているのではと感じ始めています。
集中力の持続する時間も違うような気がします。
今年度の受験の結果を見ても、かなり有効であることが実証されつつあります。
皆さまも、ぜひともお試しください。
神山眞